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2004/11/15
Vol.72  H-2B非移民就労ビザについて

2004年10月1日、移民局は2005年度の新規H-1B受付を締め切りました。このことにより、今後は米国議会からなんらかの対策措置がなされない限りH-1B申請は来年4月まで待たねばならず、新規H-1Bによる就労は早くても2005年10月1日からということになります。そこで私たちは前々回、H-1Bに代わる可能性のあるビザの選択肢としてJ-1、H-3、Eビザについて紹介いたしました。今回はそれらビザの選択肢に加え、様々なケースで適応されるH-2Bビザについてご紹介いたします。そこでまずH-2Bビザとはどのようなケースにおいて適用されるのか、その例をいくつか取り上げたいと思います。

1. 日本からのレストランで、米国におけるレストラン開店に関し、限られた期間米国人労働者をトレーニングするため、日本からのシェフを必要とする場合。
2. 旅行代理店が特定の季節の数ヶ月間に行われるイベントのガイドを必要とする場合。
3. 新しいホテルのオープンに際し、特定期間、米国人労働者をトレーニングするための日本からの指導員を必要とする場合。
4. 専門のソフトウェアの契約が交わされ、米国人労働者にそのプロジェクトを引き継ぐ前に実際に米国でそのプロジェクトを立ち上げ、スタートさせるための人材を日本から必要とする場合。

以上のことからも分かるように、基本的にH-2Bビザとはスポンサーとなる企業の一時的に発生する追加の業務ニーズに対して期間限定で適用されるビザです。H-2Bビザの年間上限枠は66,000件で、最近ではサービス業(接客業)において盛んに活用されています。H-2Bビザの有効期間は1年で、延長することにより最長で3年継続することが可能です。その場合における延長申請は移民局により入念に審査されることとなりますが、H-2Bビザ取得条件にはビザ受益者が専門的能力を持っているかどうかは直接影響しません。しかしながら医療業界での仕事を探している外国の医学部卒業生や農業労働者はその適用からは除外されます。またこのH-2BビザはOビザやPビザの条件を満たさないタレントやスポーツアスリートに対してもしばしば適用されます。

H-2Bビザの申請はスポンサーとなる企業はもちろん、代理人を通しても申請が可能です。代理人を通して申請する場合、例えばH-2Bビザ受益者がフリーの自営業者であれば、代理人とそのビザ受益者の間には契約が交わされている必要があり、その契約書には更に報酬や就労期間についても言及されていなくてはなりません。また代理人はそのビザ受益者の就労に関する細かい計画表も作成しなければなりません。もし代理人が複数のスポンサー企業を取り扱っているとすれば、その代理人は就労の開始日、スポンサーとなる企業の名前及び住所、そして実際にビザ受益者が就労する場所なども明確に示さなければなりません。更に、外国のスポンサー企業によるH-2Bビザの申請の場合、代理人はそのスポンサーとなる企業を代表してH-2Bビザを申請する権限があることの証明書を示すと同時に、ビザ受益者とスポンサーとなる企業の間で交わされた就労契約書も示さなければなりません。一般的に、このようなケースにおける代理申請の権限が与えられた代理人については、移民法上何らかの問題が発生し、訴えられるようなことがあった場合、この代理人がすべての責任を取ることとなります。

H-2Bビザにおいて最も重要な点はその就労先での業務ニーズが外国人労働者による一時的な期間限定のものとして生まれているということです。ここでの一時的な業務ニーズとは業務そのものに対するニーズはもちろん、就労先となる企業のある特定の外国人に対するニーズも一時的なものでなければなりません。また移民法上ではH-2Bビザにおける外国人による新たな就労が行われることで現在の既にその就労先で働いている米国人労働者の職が失われたり、彼らの就労条件や報酬に悪影響を及ぼすものであってはなりません。結局、企業にとってH-2Bビザ取得のための重要な鍵は、その業務自体が永続的であろうが一時的であろうが、外国人に対して期間限定の業務ニーズがあるかどうかに関わると言えます。
米国労働局はその一時的な業務ニーズに関し、様々な状況におけるニーズを認めています。そこで、その一時的な業務ニーズとは具体的にはどの様なもので、H-2Bビザを申請するスポンサー企業または代理人(以下、申請者)はどの様にそれを示すべきかについていくつか例を取り上げます。

1. 繰り返し発生する季節的ニーズ

このニーズは季節に応じて毎年繰り返し発生する業務と関連しており、申請者はその一時的な季節の業務ニーズについて明らかにしなければなりません。例えば冬シーズンのスキーインストラクターはこれに該当するでしょう。また申請者はその業務ニーズが満たされる季節以外の季節についても説明する必要があります。更にその業務ニーズに対する期間が予期できなかったり、変更したり、または就労先の企業の正社員のバケーション期間のみの埋め合わせであるような場合、その業務は季節的ニーズを満たす業務とは見なされません。

2.不定期で断続的なニーズ

申請者は企業の一時的な業務ニーズを満たすために、永続的またはフルタイムでの労働者ではなく短期間における断続的なH-2Bビザ労働者による就労を必要としていることを明らかにしなければなりません。

3. 仕事の最盛期のみのニーズ

申請者はあるポジションに関して定期的に正社員(永続的に就労する社員)を雇っていること、そのポジションにおける業務は季節的または短期的に追加業務を必要とすること、そしてその外国人労働者の一時的追加が申請者の今後の通常業務の一部とはならないことなどを明確にしなければなりません。(つまりその外国人労働者の帰国後、同じ業務ニーズが引き続きあってはなりません。)

4. 一度のみのニーズ

過去においてある業務ニーズを満たすために労働者を雇っていない、将来においても再び雇うことはない、またはあるポジションに関して他では永続的なポジションとして雇っていても短期間のイベントにおいてはそのポジションは期間限定の追加業務である場合など、申請者はその業務ニーズについて明確に示さなければなりません。

H-2Bビザ取得については上記のようなニーズを持ち合わせていれば非常に有効と言えます。一方で、スポンサーとなる企業は限られた期間のみの就労契約を交わさなければならないこと、また企業は労働者の業務ニーズが一時的であることを申請時に明確に立証しなければならないことなどを考慮するとその条件を満たすことはなかなか難しいとも言えるでしょう。

最後に、H-2Bビザの具体的な申請内容について簡単に紹介します。まずH-2Bの申請は米国労働局への労働認可申請のステップを踏むことになります。それに伴い、申請者はH-2B申請前に永住権申請と同様の求人募集活動を行わねばなりません。ただその求人募集期間はおおよそ2ヶ月ほどで、永住権申請前に必要な募集期間よりも短く、その後の米国労働局による審査期間も永住権のその長い審査期間と比べてはるかに短いと言えます。米国労働局はその審査を通してまずその申請を認証するかもしくは認証できない旨のレターを発行することとなり、その米国労働局からの審査が終了次第、それらをもとに移民局へ申請することとなります。もちろん米国労働局からの許可がおりたとしても確実に移民局がH-2Bビザを発行するとは限りません。移民局への申請はI-129フォームなどの必要書類に加え、以下の書類等を提出することになります。(a)米国労働局により認可された労働許可書もしくは許可書が発行できない旨を記したレター、(b)労働許可書が発行できないと記されたレターを反
証する根拠、(c)労働許可申請時に示した業務にビザ受益者が適任であることを証明する書類、(d)期間限定の業務に対し、外国人労働者が必要であることを示す書類。

繰り返しますがH-2Bビザは最長3年有効で、それは一年の延長を2回行うことで可能となり、その延長申請毎に米国労働局へのステップを踏まなければなりません。もし雇用者側の都合でその業務が予定期間前に解散された場合、その企業はH-2B労働者が直ちに帰国できるよう交通費を支払う義務が生じます。延長を含めた3年のH-2Bでの滞在後はいかなる延長も、米国内でのステータス変更も認められないでしょう。ただし、H-2B就労期間終了後、直ちに米国外へ出国し、米国外にて6ヶ月以上滞在していれば再度HビザやLビザなどを申請する資格が得られることになります。
弁護士 デビッド・シンデル
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