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2013/01/15
Vol.262  移民局による最近のビザ申請審査の厳しい現状(その6)

前回に引き続き、アメリカの政策調査機関であるthe National Foundation for American Policy (通称NFAP)が最近発表した移民局申請結果に関する調査報告を基に弊社の見解を示します。

特にL-1Bのケースにおいて、移民局審査官が、会社の特定の専門分野における専門知識をもつ従業員はひとつの会社に3−5人以上も存在するはずは無いという判断のもと申請が却下されたという雇用主からの情報があります。実際、移民法上、L-1Bビザ言う専門知識をもつ従業員の数は会社の中での一握りであるべきである、という具体的人数の制約はありません。例えば仮に高い専門知識を要する専門分野やプロダクトラインで雇用を受けている従業員が数千名もいるような会社であれば、仮にその専門知識を持ち合わせる従業員が3−5名に制限されるとすれば、会社の経営さえも機能しない事となります。

L-1ビザは既に他国の親会社、子会社、または関連会社で雇用を受けている従業員がアメリカの会社で一時的に企業内転勤者として雇用を受けるために発行されるビザです。このような条件のものと、L-1ビザ発給が、なぜ当事者とは無関係のアメリカ人の失業率の高さに悪影響を与えている事になるのか疑問を覚えるばかりです。

これらデータ及び移民局申請の現状から分析すると、移民局その他関連政府機関は、有能な外国人労働力のビザ発給をより難しくしており、近年の却下及び質問状発行割合の増加、及び認可されるにしても質問状が届くなどして認可まで大変長い時間がかかってしまう可能性の高い現状において、ビザ発給及び時間的にも確実性の無いビザ申請そのものを避ける企業も増える事でしょう。そして、アメリカの移民システムに嫌気を指した外国企業及び個人が、その代わりにアメリカ国外での国々での海外ビジネス活動を行う事も予想され、アメリカの国際競争力に悪影響を及ぼす事にもなりかねません。

とは言え、この現状でも申請を行わなければ企業もあります。今後申請を考えている企業は、より詳しく、より注意深い申請書作成がより重要となり、移民法に詳しい専門家と密に戦力的に申請作業を進める事が高く望まれる事でしょう。更に、アメリカでの従業員の雇用開始日やプロジェクトの開始日が決まっている場合は、できる限り早めに行動を起こす、または開始日についても柔軟な対応ができる体制が求められる事でしょう。
弁護士 デビッド・シンデル
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