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2011/03/01
Vol.217  移民局ビザ申請費用の値上げについて

前回、総従業員数50名以上の会社に対し、50%以上の従業員がH-1BまたはL-1ビザ保持者である場合、L-1ビザ申請1件につき申請費用が$2,250、更に同様の会社条件の下、H-1Bビザ申請1件につき、$2,000値上がりする新法が成立したニュースをお伝えしました。更に今回のこの法律によればアメリカ南部の国境強化のため更に6億ドルの予算を投じることになっており、国境警備局による1,500人の国境警備員増員に必要な 3億ドル、国務省によるプログラムに必要な1億9600万ドル、追加で2 機の無人警備用飛行機に必要な3200万ドル、その他コミュニケーション装置や新しい施設のようなものに必要なお金が含まれています。
議員の中には各H-1B申請1件あたりの移民局申請費用をそれ以上の$5,000程度にすることで、これまで議論されてきたビザ乱用等に関する問題を解決できると考えている人もいます。平均賃金額の支払い及びこの新しく法制化された高額な申請費用が必要になることで、今後のH-1Bビザによる雇用について、インドのIT関連企業など多くのH-1B保持者を雇用している大企業等にとっては死活問題となるでしょう。しかし私は、これで全ての問題が解決するとは考えておりません。今回の法制化は外国人雇用に対して決して公平な条件とは言えず、むしろアメリカのビジネス上の国際競争力を失うことになると考えています。
更に移民局は2010年11月23日より申請費用を全体的に平均で約10%程度値上げとなっております。今年の夏から取り上げられていた話題ですが、その値上げの背景には移民局の予算不足があるようです。発表によれば、移民局の予算の約90%は申請費用からで、2年に一度申請費用について検討している中、2008年、2009年は予想以上に申請費用からの収益が少なく、かつ2010年についても現時点まで申請費用による充分な収益がない状況だそうです。市民権申請など一部費用に変更がないものや、非移民ビザ保持者のアメリカ国内滞在延長申請など逆に申請費用が値下げになっているものもありますが、今回の全体的な申請費用の値上げは、前回お伝えしたニュースに続く申請側にとっては好ましくないニュースと言えるでしょう。以下、値上げされた主なビザ申請費用は次の通りです。
永住権更新申請(I-90): $290 =>$365
家族ベースの移民申請(I-130): $355 =>$420
渡航許可申請(I-131): $305 =>$360
雇用ベースの移民申請(I-140): $475 =>$580
永住権保持者への身分変更申請(I-485): $930 =>$985
就労許可書申請(I-765): $340 =>$380
特急申請(I-907): $1,000 =>$1,225
弁護士 デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/