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2010/12/07
Vol.211  NJニューアーク空港でのH-1B保持者に対する厳しい入国審査

最近のH-1Bビザに対する厳しい規制や、H-1Bスポンサー会社への突然の査察については、これまで何度かお伝えしてきましたが、米国移民弁護士協会(AILA)米国税関国境警備局(CBP)連絡委員会が当協会メンバーから最近受けた報告によると、NJニューアーク空港では、インド人H-1B保持者を始めとし、特定のH-1Bスポンサー会社で働くH-1B保持者に対し、明らかに厳しい入国審査が執り行われているということです。
当空港において入国審査官がH-1B保持者に対して尋ねる主な質問は、どこの会社に勤めているか、給与額はどのように計算されるか、誰が給与を支払うか、職務内容は何か、給与額はいくらか、等ということです。それら質問に適切に答えられない場合、その場において、アメリカ国外への即退去またはビザの取り消し処分が科せられているケースもあるようです。
これら状況の下、CBP連絡委員会はCBP本部に対して幾つかの問い合わせを行ったのですが、その回答によれば、それら厳しい入国審査の対象となるケースの中には、移民関税執行局(ICE)や移民局(USCIS)により詐欺に対する調査の対象となっている会社のH-1B従業員が含まれているということです。
アメリカへの入国が適切かどうかの判断については、その総合的なビザ申請及び雇用状況を基にケースバイケースで審査がなされ、不適切であると判断された場合、最終的に入国申請取消し又はその場でのアメリカ国外への即退去が命じられる場合もあります。
更に政府の新方針によれば、この厳しい質問審査はH-1B保持者に限らず、L-1ビザやその他の非移民ビザ保持者のアメリカ入国に対しても無作為に実施されているということです。列を成して最初に実施される通常の入国審査において疑わしい何かが発覚すれば、空港の別室に通され、更なる質問が科せられ、ケースによっては、ビザ申請書類も入念に審査されます。仮に申請書に矛盾があった場合、対象となるビザ保持者は、その場で、アメリカ入国を自主的に取りやめるか、又はアメリカからの即退去処分となるでしょう。
一方、同時期に実施されたCBP会議において、永住権保持者のアメリカ入国に関する現状が報告され、永住権保持者のうち、1998年以降、前科がある場合、アメリカ入国の際、拘束される可能性があるということです。そのような状況の下、対象となる永住権保持者が解放される唯一の例外は人道的理由がある場合のみで、情状酌量となる例として、当該永住権保持者に子供が同行しており、他に子供を引き取りに来られる人がいない場合などが該当します。更に2年の条件付の永住権を保持する永住権保持者が、その条件を外すためのI-751申請を移民局に行い、それが審査中の状況で、移民局からの申請受領書またはADIT永住権保持者査証を手元にNJニューアーク空港からアメリカ入国を行う場合、入国審査官は、その入国申請が正当なものかどうかを確認するために、空港の別室で2回目の入国審査を行います。
以上のことからもH-1B保持者を初め、ビザを基にアメリカに入国するビザ保持者は皆、入国毎に、そのような厳しい質問や対応が施される可能性があることを常に念頭におき、厳しい質問に正当に返答するためにも、ビザの申請書の内容を全て再確認し、申請内容の正当性を高めるためにも何らかの証拠書類を持参することがとても重要となります。同様にビザスポンサー会社側も、ビザを持つ従業員のアメリカ入国に対して、CBPからの電話による確認連絡の可能性があることに備えて、常に各従業員の申請内容をしっかり把握しておく必要があるでしょう。
弁護士 デビッド・シンデル
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