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2010/06/15
Vol.200  移民局による会社査察に対して備えておくべきこと その2

前回に引き続き、移民局による予告なしの突然の会社査察についての特にH-1Bビザをスポンサーしている会社の心構えをお伝えいたします。

今回の移民局による会社査察に関する取り組みには、実際に移民局に提出されたH-1B申請書に記載された通りその従業員がスポンサー会社で就労しているか、また記載通りの就労を行っているかを査察する民間査察員の雇用も含まれています。

最近、シンデル法律事務所では実際に会社査察の報告を受けているのですが、最近の一つの事例に基づいて実際どのようなやり取りがあったかを簡単に紹介します。

まず査察員は何の前触れも無く突然オフィスを訪れてきたそうです。そしてある特定のH-1B従業員に関する情報を得たいと尋ねたそうです。査察員(女性)はそれら査察を行うために契約雇用された査察員であることを告げ、彼女は写真付きのバッジを身に着けていたそうです。

彼女は最初、査察対象となった会社の人事担当者に会い、会社について、どのようなビジネスを行っているか、全従業員は何名か、就労時間はどれほどか、会社の住所は何かなど、基本的な質問をしたそうです。更に彼女は何名のH-1B従業員がいるか、また従業員の何名に対して永住権のスポンサーとなり、更に現在何名の永住権保持者が従業員として雇用されているかを尋ねました。基本的なこととは言え、その人事担当者は即座にそれら質問に答えるのは困難だったということです。その人事担当者は正確な数を彼女に伝えるために従業員リストの確認を申し出たそうですが、彼女はおおよその数の報告でも構わない旨を伝えたそうです。そして彼女はその特定のH-1B従業員について、どのような職務に就いているか、給与はいくら受けているか、就労時間はどれほどか、いつから雇用されているかなど、いくつか質問を行ったそうです。更に彼女はその受け答えをした人事担当官が誰なのかを確認するためにIDの提示を求め、更にその特定のH-1B従業員のW-2フォームまたは給与明細の提示を求めたそうです。実際その人事担当社はどちらも手元に無かったそうで、会社の最新の給与登録フォームを見せたところ、彼女は納得したそうです。その後、彼女は実際にその特定のH-1B従業員と数分間質疑応答を行ったそうで、そのH-1B従業員からの報告によると彼女はその従業員の職務内容、就労時間、給与明細について尋ね、更にIDも確認したそうです。最後のそのやり取りの後、彼女はオフィスを歩いて周り、数枚写真を撮り、オフィスを去ったということです。

その査察時間は短いもので、質問そのものは決して難しいものではないようです。今回の報告では、その会社は何とか査察を克服できたと感じており、実際査察官はとても親切で、プロフェッショナルだったということです。更に彼女はこの査察は突然の訪問が基本となっているとも告げたそうです。

追加ですが、対象となったH-1B従業員は彼女に対して自身が無作為に査察対象として選ばれたのかどうか尋ねたそうですが、それに対し彼女はそうではないと答えたそうです。つまりこのことからも査察員は特定のH-1B従業員を対象としながらも会社全体としてH-1B従業員の雇用状況を確認していると推測できます。

(次回へ続く)
弁護士 デビッド・シンデル
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