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2009/11/17
Vol.187  H-1B, L-1申請に関する最新の動き、改革法案について =その1=

これまでにもH-1BやL-1Bビザ申請など移民法に関しては反移民の問題やアメリカ人の雇用を確保する意味においてもその厳格性を高める議員による法案は提出されてきました。そこで今回から3回に分けて最近出された移民法改革法案について説明していきたいと思います。
2009年4月28日、上院議員のGrassley氏、及びDurbin氏によりH-1B及びL-1改革法案(S 887) が提出されました。当法案が仮に法制化されるとなれば、非移民ビザを通して外国人を雇用する際、事前にアメリカ人に対する求人活動が必要となるなど、外国人雇用が根本的に変わる事態となります。更に当法案によれば、労働局によるスポンサー企業への監査、調査の機会が単に増えるばかりではなく、何かしら違反があった場合、これまでは誠意のある改善姿勢を示すことで免除されていたような違反に対しても、今後はH-1BやL-1を通しての外国人雇用を制限したり、違反企業へ膨大な罰金を課したりする労働局の権限が増しています。
一週間後、国土安全保障省の秘書官であるJanet Napolitano氏は上院委員会開催前に次のように述べました。“我々のアメリカ人労働者に対する義務はアメリカ人労働者が職に就いている事を確認することである。法施行の見地から、私の最優先事項はH-1B申請において一切の詐欺行為がないことを確信することです”
オバマ大統領は大統領候補者時に提案していた今回のような包括的改革法案に関して、アメリカ人が国境強化に関する法律が確実に機能しているとアメリカ人が感じることができるまでは、法制化することはないと言っています。
一方で、オバマ大統領は全米規模のE-Verifyシステムの導入、国境警備強化に対する人件費の増加、詐欺行為を発見できる新技術の構築、更に企業への法施行強化を計画しています。
E-Verifyシステムとは移民局によるインターネットベースの従業員就労資格確認プログラムのことです。このシステムは社会保障庁(SSA)と協力して活用されており、雇用主が新規採用者に就労資格があるか、またソーシャルセキュリティー番号は正当なものであるかを決定するために活用されます。これにより雇用主はSSA、移民局の記録、そしてI-9フォームに含まれる記録を比較することができ、新規採用の際、雇用主にとっては雇用判断の手助けとなります。E-Verifyについては現在一部州では完全義務化となっています。一部政府機関に関する雇用や17ヶ月のOPT延長を必要とする従業員がいる場合は、必須となります。よって政府機関と企業が個人のデータを共有することになり、その照合を基に矛盾が見いだされれば企業への監査も行われることになるでしょう。
今回上院議員のGrassley氏、及びDurbin氏により提出された法案はDurbin-Grassley 法案と呼ばれますが、今回と同様の法案は以前にも提出されたことがありました。しかしアメリカの好景気と企業への同情もあり、当法案が法制化することはありませんでした。しかし現在の不景気の結果、自体は大きく変化しており、高学歴のアメリカ人でさえ、雇用が脅かされています。
提出された当法案は非移民ビザを通しての雇用プロセスを根本的に変えるものとなり、特にH-1BやL-1での雇用を考えている企業にとっては大きな負荷となることが予想され、結果希望の外国人を雇えないという事態も大いに考えられます。次回は当法案について詳しく説明いたします。
弁護士 デビッド・シンデル
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