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2003/03/03
vol.12  大使館関連情報


9・11同時多発テロ事件以降、一連の新規則の導入、現行規則の運用基準の厳格化、そして、移民局や国務省審査官達の過剰ともいえる移民への拒絶反応が確認されるなど、米国移民政策における取り締まりの強化が進んでいます。今後数年間、米国移民社会は厳しい冬の時代を迎えることになりそうです。そんな中、私たち移民弁護士も、業務遂行において、困難を感じることが増えています。当局側から、申請に対する却下や質問状・証拠書類の再提出要請(キックバック)を受ける機会が激増。過去に例を見ないほどの大使館での審査基準の厳格化・・・。このコラムを読まれている方々に助言したいのは「移民関連のニュースに常に目を配り、最悪の事態に備えておいてほしい」と言うことです。インターネットなどを通して、移民関連の最新情報にアンテナを張るよう心がけてください。www.ins.gov, www.state.gov, www.usembassy.state.gov/tokyo, www.doleta.govなどの関係当局のページはできれば定期的にチェックすべきでしょう。私共の東京事務所のホームページwww.abctny.comでも、多くの最新の移民法ニュースを日本語で提供しています。米国移民法関連情報のポータルサイト www.ilw.comでも、移民法関連の最新情報を得ることができます。私共は移民法法律事務所として、米国の日本人社会に影響を与える恐れのある事項に関して、常に皆様に最新情報を提供できるよう努めたいと願っております。

以下、重要と思われる大使館関連の最新情報をご紹介します。
●非移民就労ビザスタンプを更新する必要のある日本人、つまり「E・H・I・L・O・Pなどの就労ビザの有効期限が切れるので新しいビザスタンプを取得する必要に迫られている方々」は、これまでは、米国から東京や大阪の大使館へパスポートを送付し、郵送によるビザスタンプの発給サービスを受けることができていました。ところが、この郵送審査サービスは、2002年9月1日から停止されることになりました。

昨年の時点で既に、「就労ビザ以外の非移民ビザや新規のビザスタンプ申請の場合には日本にパスポートを送付して郵送による審査を受けることは不可」とされていました。ですから、簡単に言うと、現在、日本でビザスタンプの発給を受ける場合には、申請者は必ず日本に一時帰国しなければならないことになります。申請者は、一旦日本に戻って、こういったタイプのビザスタンプ申請を代行してくれる旅行社(例えばIACE Travelなど)を通して大使館へ申請書とパスポートを提出します。もしくは、日本国内から自らビザスタンプの郵送申請を行います。勿論、私共の事務所の東京連絡事務所でもこうした申請を受け付けています。


●こうした日本でのビザスタンプ申請は、最近、審査期間が延びる場合が多く、ケースによっては2ヶ月近くもかかっています。ですから、次に述べるような、「日本でのビザスタンプ申請に変わる手段」を利用しなければならない人も多くなってきています。それではどのような申請を行えばよいのでしょうか?

まず始めに、知っておいて頂きたいのは、ビザスタンプは、あくまでも「入国許可証」であって、再入国の際に必要となる書類であると言うことです。つまり、たとえ今お持ちのビザスタンプの有効期限が切れてしまっても、自動的に滞在期限が切れるわけではないのです。まず、あなたの滞在ステータスが有効であるかどうか、そしてI-94で許可された滞在期限が有効であるかどうかをご確認ください。これらが有効である限りは、米国での滞在は合法的なものとなりますので、必要に迫られていなければビザスタンプを急いで申請しなくとも問題は有りません。
次に、E・H・I・L・O・Pなどの就労ビザならば、米国内の国務省(Department of State)へビザスタンプの更新を郵送申請することができます。詳しくは、国務省のホームページhttp://travel.state.govをご参照ください。但し、国務省での郵送申請を行うためにはいくつかの条件があります。例えば「現在お持ちのビザがあと60日以内で失効すること」など。申請前に、こうした条件に該当するか、かならずご確認ください。国務省でのビザスタンプ更新は通常2ヶ月程度で完了します。

更に、隣接国の米国大使館でもビザスタンプの発給を受けることが可能です。例えば、次の大使館でビザスタンプの更新を受け付けてくれます。Calgary, Alberta, Canada, Halifax, Canada, Montreal, Canada, Ottawa, Canada, Quebec, Canada, Toronto, Canada, Vancouver, Canada, Ciudad Juarez, Mexico, Matamoros, Mexico, Tijuana, Mexico。申請を希望される場合は、まず、 www.nvars.com で予約を入れる必要があります。同サイトのインストラクションを良くご確認ください。但し、気をつけなくてはいけないのは、こうした隣接国でのビザスタンプ申請が却下された場合には、その国から米国への再入国が認められないということ。却下された方はまず、日本に戻り、東京か大阪の大使館で再度ビザスタンプの発給申請を行わなければならなくなります。隣接国大使館でのビザスタンプ発給は、他の方法に比べて、非常に審査期間が短くなっています。申請から数日後には、審査が完了しますので、問題の無いケースであれば、新しいビザスタンプの発給を受けて米国に戻ってくることが可能です。

●審査期間の長期化
2001年9月11日の同時多発テロ事件以来、国務省では、「移民政策は国境及び国内の安全保障に関する事項である」との立場から、他の米国政府機関と連携して、ビザ発給審査過程で広範囲にわたる審査を進めています。

当局側は、9.11事件後に導入された暫定的申請Formやその他の方法を駆使して、各申請に対して、過去に例を見ないような非常に厳重な審査を行っています。こうした厳重な審査の影響で、各種ビザ審査に要する期間が長引いている模様です。国務省によれば、各申請者、特に米国での就学のためにビザスタンプを申請した方は、通常の審査期間よりも長い間審査結果を得られない場合には、ビザの発給を受けることが難しくなると予測できるとのことです。大使館の審査官には、米国法を執行し、ビザの発給を受ける者が米国や米国内居住者の治安と安全を脅かさないことを確認する責任があります。この重大な責任を担う大使館審査官は、「治安と安全の確保」をビザ申請に関わる全ての懸案事項に優先して審査を行わなければならないのです。

従って、新たに導入された審査制度が軌道に乗るまでの間、個々のケースがどのくらいの審査期間を要するのか、予測を立てることは非常に難しくなると思われます。今後、ビザ申請を行う方は、審査書類を提出する前により一層厳重に提出書類の内容を確認することが必要でしょうし、また、ビザが発給されるまで6週間~8週間程、審査期間が伸びる可能性があるということを認識しておくべきでしょう。ですから、ビザの申請をする場合には、渡航予定日まで十分なゆとりを持って計画的にビザ申請を行うことが大切ですし、できれば、ビザの発給が決定するまでは航空券の購入は控えておくべきでしょう。
弁護士・デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/