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2005/12/19
Vol.97  雇用ベースの永住権発給数の計算について - その2-

雇用ベースの永住権申請は申請者の能力や経歴、申請するポジションの職務内容等に応じて5つの申請カテゴリーに分かれ、それぞれのカテゴリーには年間発給数が決められていることは前回説明しました。今回はそのうちEB-1、EB-2、EB-3カテゴリーへの影響および具体的な計算方法についてお話します。
EB-1及びEB-2カテゴリーへの影響があるか?
EB-3カテゴリーでは既に全ての国にCut-Off Dateが設定され、永住権の最終段階への順番待ちが生じています。一方、2006年度後半にはEB-2カテゴリーにおいても同じ状況になると予想されます。予想をするには現時点では少し早いのかもしれませんが、事実2006年度開始時点(2005年10月1日)で既に申請数の多い中国人やインド人に対してはEB-3以外のカテゴリーにもCut-Off Dateが設定されました。実際このCut-Off Dateの推移は予想ができず、単に順番待ちの期間は5,001番目の人のPriority Dateから現時点までの差し引き日数分とは限りません。自分の順番がいつくるのか予測できるようになるまでにはそのCut-Off Dateの推移をしばらく見守るしかないのが現状です。
“Current”であったカテゴリーに今回なぜCut-Off Dateが設定されたか?
実際上、2001年7月以前もインド、中国などいくつかのカテゴリーにおいては今回のようにCut-Off Dateが設定されていました。それが今回再び問題となったわけですが、ここ4年間は雇用ベースの永住権発給枠はCurrentの状態でした。しかし2006年度を迎え、後で述べるいくつかの重要な要因も重なり、Cut-Off Dateが設定されました。

ではなぜ2001年7月以降、雇用ベースの永住権発給がCurrentとなっていたのでしょうか?その理由として当時のAC21法の適用により1999年度及び2000年度の131,000件もの雇用ベースによる永住権発給残数を取り戻し、ビザ申請超過国に対してその数が割り当てられたためです。さらに移民申請審査期間の長期化により最終段階に進むことのできる認可数が年間発給数に対してさほど多くなかったことも要因の一つです。

逆に2006年度はDHS及びDOLによる残務処理活動も進み、移民申請の認可を受けた最終段階への順番待ちが増えています。さらに2005年度と比べておおよそ40%も雇用ベースの年間上限枠が減っています。この減少はAC21法により取り戻される数がなくなったことの結果であり、2001年7月以前の状況にまた戻ることを意味します。
雇用ベースの永住権発行の上限数は国ごとにどのように計算されるのか?
移民法Section201によると家族ベースの永住権年間発給数は226,000件となっています。一方、雇用ベースの年間永住権発給数は少なくとも140,000件あります。移民法Section202では家族ベース及び雇用ベースの永住権年間発給数の合計のうち一つの国が全体の7%(25,620件)を超えてはいけないことになっています。これは一つの国から多くの申請者が殺到し、一つの国に多く永住権の発給をすることを避ける目的があります。ただし同時に四半期における雇用ベースの永住権発給数が有効であれば一つの国がその7%を超え場合もあるとなっています。実際上、ここ数年は、中国、インド、フィリピンに対しては7%を超えているのが現状です。ただし、2006年度に関しては、多くの順番待ちが発生していることから、これら申請超過国に対してAC21法は適用されず、全ての国が7%上限の適用を受けるでしょう。現在予測されている2006年度の雇用ベースの年間発給
数は2005年度の家族ベースの未使用分とAC21法にある140,000件を合計した152,000件です。つまり各国の雇用ベースの発給上限数が10,650件となることを意味します。このように特に永住権申請超過国にとっては2006年度以降、厳しい現実を迎えることになります。参考までに2005年度のインド人に対する永住権発給数は約47,175件でした。
(次回へ続く)
弁護士 デビッド・シンデル
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