アメリカ求人サイト「プロックスJ」を活用して、アメリカ就職・転職の勝ち組になろう!

アメリカ求人アイコン ビザアドバイス

2005/06/21
Vol.85  EB3レトログレッションについて

雇用をベースとした永住権申請は5つの申請者カテゴリーに分かれますが、各カテゴリーには永住権の発給数に限りがあります。この中の一つに日本人が永住権を申請する際に最も適用されるEB-3があります。EB-3とは、2 年の職務経験もしくは2年~4年の大学の学位が必要な職業のカテゴリーです。以前記事でも紹介しましたが、PERM(労働局からの認定書申請が45-60日で終了する)により今後永住権の第一段階である労働認定書(Labor Cert)が今までよりも早く、そしてより多くの数の申請が認可され続ければ、逆に移民局へ申請するI-140の次段階であるAOS(I-485)申請の段階で多くの人に発給数による順番待ちが生じてしまいます。 つまり第一段階の労働局申請はその数に関係なく申請できるのですが、そのI-485申請では発給数が有効にならなければ申請が止まってしまうと言うわけです。EB -3カテゴリーで起こるそのような状況をEB-3レトログレッションと言い、つい最近まではEB-3カテゴリーにおいて、この順番待ちの状態は見られませんでした。しかしこの半年以内で中国、フィリピン等の米国を対象とした永住超過国からの申請者は、2005年3月の時点で既に3年待ちの状態となってしま いました。

ただ永住権申請中の就労を通しての米国滞在という観点から考えると、現在の法律では例えばH-1B保持者として永住権申請を行ってから365日以上経過しており、尚且つその申請が審査中である限り、従来最長6年とされている期限以上の延長(毎一年の)が可能となり、米国での就労によるH-1bでの滞在が可能となります。そこで3月に開かれた定例会議での移民局側による発言では、上記のようなH-1bの延長条件に当てはまらず、例えばEB-3レトログレッションの問題でI-140は許可されても申請の優先順位が遅いことにより、その次のI-485 を申請できない状況に陥る人を想定した対応策が作られると言うことです。それはそのような状況の人に対しても申請を受付け、申請書は発給数が有効になるまで保管し、その間の就労及び渡航許可書を発行すると言うものです。これが新たな規則となれば、皆さんにとってたいへん有益な規定となるでしょう。
弁護士 デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/